2018年05月08日

智室窟へ

5月8日(火)

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南岳や四王寺滝へ行く時は、いつも素通りしてしまってる智室窟。
久し振りにあの静けさの中に立ってみようと思い立ち、たった一人の史跡巡りへ。

智室谷の坊舎跡の石垣を大きく曲がり、すぐ左に見えてくる石段を登ると、たちまち鬱蒼とした
木立の中になり、この時期は遠くの谷からツツドリの鳴き声が聞こえて来る。
石段も土砂でかなり荒れてはいるが、その昔に丁寧に積まれた石畳であることが良く分かる。

100Ⅿほど登ると、智室窟に到着だ。

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この窟は当時の様子をよく残しており、その昔の堂宇などの建築物の跡と思われる礎石なども残り、
そしてここの特徴は、大岩の下にずらりと並んだ19基の板碑です。
板碑とは供養の為に建立した塔婆の一種で、英彦山のそれは自然石を適当な大きさに打ち欠いたような
形になっています。

それぞれの中央上部に梵字が彫られ、その下に建立の願文、建立者名、年号などが刻まれています。
そしてその梵字は、ほとんど虚空蔵菩薩で阿弥陀如来もありますが、虚空蔵菩薩を刻んだ碑が
多いためここは「虚空蔵窟」とも云われ、地元の古老は「コクウゾウさん」などと呼び慣らしている。

最古の板碑は嘉吉2年(1442年)とあるので、約600年前のものと分かります。
そして三十三回忌と刻まれているので、追善供養三十三回忌を無事に終えた記念に、
建てられたのだろう。

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立派な手水鉢や五輪塔などからも、かなりの規模の修行場だったことが分かり、何よりも今でも
参拝者があることが、まだ新しい線香の跡や供えられている賽銭からも窺がえます。

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敷地内にある、屹立した大きな岩。
ここも信仰の対象になっていて、窟が陰そしてこの岩を陽と見立て、対比をなしています。

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この日は照り陰りが激しく、日が射しこむのをじっと待っていたりしたので、小一時間ほど経って
いたみたい、遠くから正午を知らせるチャイムの音色が響いてきた。

時間も何もかも遮断されたようなこの空間から、そろそろ帰ることにしよう。
次は紅葉の頃に来れば、それも見事だろうな。

★ つれづれに一句

  神域は 木陰が多し 風渡る   yamahiko
     ・しんいきは こかげがおおし かぜわたる


こんな花、見つけたよ。

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ツクシタニギキョウ。

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キランソウ。

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ミズタビラコ。

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キンラン。





posted by やまひこ at 00:00| 史跡ご案内