2017年08月17日

北海道遠征(その6)・アポイ岳(810・2Ⅿ)へ

  8月17日(木)

北海道遠征の続きです。

順調に計画していた山も登り終え、それでも日程も体力もまだ余力があるという事で、その勢いの
ままに、アポイ岳(810・2Ⅿ)に登ることにしました。

アポイ岳は特殊な地質(地下深くのマントルから現れた「かんらん岩」で構成) でつくられた高山植物
群落が国の特別天然記念物に指定さ れていて、周辺を含む一帯が日高山脈襟裳国定公園に なっています。

2008年に日本ジオパーク、2015年には世界ジオパー クに認定された。

そして「花の山」としても知られていて、今回の遠征のために下調べなどはしていなかったが、今迄
何回も計画を立てていたので、山中の地図などは頭に入っている。
それに山中の保護、道の整備も行き届き、日帰り登山として最適だということで安心だ。

・写真をクリックすると、拡大されます。

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8月5日、車中泊した襟裳岬で迎えた朝。
北海道の夜明は本当に速く、4時過ぎには薄く朝焼けが始まりこれからアポイ岳登山口へ出発だ。

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登山口周辺はこれ以上はないというほど整備されていて、キャンプ場、子供たちの遊具、ホテル、
ビジターセンター、それにゴーカートまであり、山岳観光地の様相に少々驚く。

5時47分、入山届を書き登山開始。

あちこちに「熊出没・注意」の立て看板があり、こうなったらザックに付けているネパールの
カウベルにクマを追い払ってもらうしかないな。
登山道にも何か所か大きなクマ除け鈴があり、それをガラン・ガランと鳴らしながら歩く。

暫くは沢沿いの緩やかな道だが、整備は完全で歩きやすく等間隔で休憩所もある。

7時24分、沢音とも別れた頃5合目小屋に到着。
全く人気はないようでこのまま進もう、右の樹にぶら下がっているのがクマ除け鈴で、ガラン・ガランと
また鳴らして、さぁこれから本当の登りが始まる。

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ちょうど今はキンロバイと、イブキジャコウソウが盛りのようでコースの行く先々で
この黄色とピンクを見ることになります。

ガレ場の登りが続き、7合目を過ぎたあたりからガスが立ち込め始めた。

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タカネヤハズハハコ、オヤマソバ、チシマセンブリなどを見ながら撮りながら。
この路を行けば、もうじき「馬の背」に差し掛かる。
この辺りは例年だと、雪渓が残っているのだが今年は全く見当たらず、積雪量は少なかったと
いう事だろうか。

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8時18分、「馬の背」通過、あぁ・・ますますガスって来た。
本来なら南には太平洋、北には遠く日高山脈の脊梁が見えるはずなんだがなぁ・・。

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ガスの中に、先を聞く人が見え隠れしている。
これも好いなぁ、山は晴れの景色だけがベストではないのだから。

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タカネオミナエシ、ミヤマホツツジ、タカネナナカマド、エゾマツムシソウ、ウメバチソウ、
そして固有種のアポイマンテマなどが岩陰などから覗いている。

これから胸突き八丁の登りになる。
途中振り返ると、

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これも絶景です。

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見上げるとピンネシリ岳方面の縦走路が続き、山頂はもう近いはずだ。

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山頂はダケカンバの林で、展望は効かない。

アポイとは、アペ・オ・イ(火のたくさんある所)に由来する。
昔、鹿がたくさんとれるようにと、アイヌたちが火をたいて神に祈った場所だと云い、北海道中の
山の名前の由来を探ると、故事が分かり面白いかも知れない。

下山は、幌満お花畑へ迂回する道を行きます。
行ってみると、以前は固有種のヒダカソウなどが群落するお花畑として賑わった所だったが
現在は盗掘やハイマツの侵入でほとんど見られなくなった、という説明版がありました。

やがて来た道と合流し、

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5合目小屋が見えてきた。
あれを右側の林の中へ入り、どんどん進めば登山口だ。

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エゾハクサンボウフウ、シャクナゲ、クルマユリ、オオヤマツレサギソウなどなど。

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そして、途中で出会った森林パトロールの方。
遅くなりましたが、ブログ見て戴いてますか?
篤く山の事、花の事を語って戴きありがとうございました。

★ つれづれに一句

  山人は 霧湧く峪を 知り尽くし   yamahiko
    ・やまびとは きりわくたにを しりつくし

12時40分、下山終了。
お疲れさまでした。












posted by やまひこ at 12:06| 山行記録

2017年08月16日

北海道遠征(その5)・羅臼岳(1、661Ⅿ)へ

     8月16日(水)

北海道遠征の続きです。

羅臼岳(1661Ⅿ)登山は、表彰式関連のスケジュールが入ったり(元来はこれが目的の北海道入りでも
あったんですが)で、8月3日になりました。

羅臼岳は2005年に世界遺産に選ばれた知床半島の主峰で、羅臼岳の稜線から伸びる硫黄岳は
現在も活動中の火山です。
手厚く自然保護されているということは野生動物が多く、登山者の脅威であるヒグマが最も出没する
地域でもあります。

前日車中泊しようと向かった、登山口がある岩尾別温泉駐車場の一軒宿は閉鎖しており、そこで一晩
過ごすのはナントも寂しい、そして「クマ出没危険、キャンプ、車中泊は禁止」の立て札だ。
さっそく、クマ出没の洗礼を受けてしまった。
ならばと羅臼国設野営場でテント泊をすることに、ここは近くに温泉やコンビニもあり、そして夕日の
絶景地でもあり、中々便利で快適でしたね。

8月3日、夜明け前からテントを撤収して登山口に向かい、身支度の後すっかり明るくなった
4時30分登山開始。

・写真をクリックすると、拡大されます。

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登山口の木下小屋で入山届を書き歩き始める、この小屋は管理人が常駐で素泊まりもできるようで、
何人かの登山者が出発の準備中だった。
序盤は樹林帯です、羅臼岳の標高は1660Ⅿ、登山口の標高は230Ⅿなので標高差1430Ⅿと
かなりタフなコースになりそうです。
やがて、木立に朝日が差し込んできた。

九州の山とあまり変わらないような登山道であり、空気感だなと思いながら足慣らしでゆっくり行く。

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ツバメオモト、エンレイソウ、ツルリンドウ、ウメガサソウ。
ツバメオモトを見つけた時は、「これは、白山で見た以来だ」と喜んだが、その後はこれの大群生がずっと
続くことになるのです。

7時51分、最後の水「場銀冷水」を通過するが、一帯の山水はキタキツネが持つナンとかという
細菌に汚染されている可能性があり、煮沸しないといけないらしく手を浸すだけにした。

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ソバナ、コバノイチヤクソウ、そしてエゾクロクモソウの可愛い小花たちが続く道。

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見上げると、羅臼岳本峰が見えてきた。

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8時13分、大沢入り口を痛過、ミヤマサワアザミ、ウラジロナナカマドなどが現れ、これから
この山の核心部に入っていくことになる。

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ここは大雪渓として知られた急登だが、今年はすっかり解けてなくなっている。
連れ合いは軽アイゼンも用意していたので、少し拍子抜けするやら、ホッとするやらだ。

谷を見上げると、ガスっている。
険しい難所であることは違いないので、目印の通りに慎重に行こう。P8030062_collage.jpg

岩陰には、チシマクモマグサが小さな群生をつくり、ミヤマサワアザミ、コケモモ、ゴゼンタチバナ。

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タカネトウチソウも、露にまみれてキラキラだ。

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チシマイワギキョウの、紫も。

暫く我慢の登りが続き、これで一段落という所で振り返ると。

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高度感がよく分かり、さっきすれ違った下山中の自衛隊の列が小さく見えている。
彼らは昨夜同じキャンプ場に設営していたが、夜間訓練で1時から登り始めたという。

この後はハイマツ帯の平坦な道になり、9時9分羅臼平に到着。

キャンパーがテントを張っていたが、ずいぶん度胸があるなぁ。
ヒグマの生息地のど真ん中のようなところで、近くには「フードコンテナ」が設置されていて、これに
キャンプ用の食料を保管し、匂いを遮断するようになっている。

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羅臼平の分岐点に到着。
ここは岩尾別温泉、羅臼町からの登山道、知床連山の縦走路の3つの道の分岐点になっていて、眼前に
羅臼岳が聳えている。
あぁ、ようやくここまで来たのか・・、というのも前半の3日連続登山がたたったのか、遠征の疲れが
出始めているのか、連れ合いのペースが落ちているようだ。

あの山頂までは、まだ1時間以上は登らないと!

最後の上りに差し掛かると、大岩の連続になり乗り越えたリ跨いだりで、ストックは邪魔になる。
それでも滑る様な岩質ではないので、冷静に進めば好い。
この辺りから急にガスり始めてきた、振り返ると。

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さっき通ってて来たばかりの羅臼平も、後ろのサシルイ岳、その後方の硫黄岳も隠れそうだ。

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10時40分、山頂に到着。
山頂も岩の重なりで狭く、どこに腰を下ろしたらいいのやらと言う感じ、次々に登った来る人もいて
場所を譲り合いながらの休憩だ。
座ってなどいられない、周囲の展望をと思ったがガスの中でこれは無理でしたね。
暫く待っていたが霧は晴れてくれない、下山開始しよう。

岩場は下山時の方が要注意なので、皆慎重になっている。
羅臼平まで降りてくると。

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山霧の波が、押し寄せてくる。
テントを張っていた青年、写真のために来たというが首尾良く撮れただろうか。

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羅臼岳も、たちまち隠れてしまった。

★ つれづれに一句

  又しても 山の威容を 隠す霧   yamahiko
     ・またしても やまのいようを かくすきり


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この後はシラネニンジン、エゾツツジ、チングルマ、そしてタカネトウチソウの群生する
大沢の谷を下り、下山完了は16時39分でした。
ナント、12時間も山を歩いたことになります!

下山する頃には心配していた連れ合いの調子も戻り、この勢いで予定外だがもう一座登ろう。
という訳で、次はアポイ岳に登ります。








posted by やまひこ at 12:08| 山行記録

2017年08月15日

北海道遠征(その4)・赤岳(2、078Ⅿ)へ

8月15日(火)

北海道遠征の続きです。

黒岳・北鎮岳に登ったの翌日7月27日は、赤岳(2、078Ⅿ)をやっつけましたが、これで
3日連続登山になります。
大雪山系の赤岳は高山植物に恵まれた山で、広大なお鉢平の東端に位置し、旭岳や黒岳とともに
大雪山入門コースとして多くのハイカーで賑わっている山です。
今回は登山口の一つ、銀泉台からのコースを選びました。

前日車中泊した大雪道路情報センターからは大雪山観光道路を登って行き、しばらく緩やかにカーブを
繰り返すと銀泉台駐車場、すでに数台の車が停まり準備中の人もいる。
久留米ナンバーも停まっていてビックリだ、もしかしたら英彦山で見知った人かもしれない。

5時49分、準備をして登山開始。

・写真をクリックすると、拡大されます。

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白雲岳までの縦走なのか、完全装備の人もいてそれぞれの期待が込められている登山口だ。
暫くは秋田フキが群生する林道を歩くが、この巨大フキは北海道のあちこちに自生しており、食用にも
なり、明治の頃この北の大地を開拓するために来た入植者には貴重な「野菜」だったのかもしれない。

灌木の登山道に入り30分もしないうちに、急に明るくなりさっそく第一花園の雪渓が広がる。

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軽くトラバースして行くが、九州人には雪渓を踏むという事そのものが嬉しく、今日も朝から晴れ上がり
本当にラッキーだ。
花園はまだまだ雪の下だが、すでに咲き始めている光り輝く可憐な花達。

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キバナシャクナゲ、イワウメ、メアカンキンバイ、アオノツガザクラ、コケモモの赤い実。

これからの登りは緩やかだが、大小のゴロゴロ石の連続なので、周囲に見惚れてばかりいると
なんでもないところで躓いたりしかねないので、注意していこう。

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済んだ大気の中、遥かに見えるのは屏風岳だろうか。
秀麗な山容だ。

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雪渓に遊ぼう。

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チングルマと雪渓。

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エゾコザクラ、チシマギキョウ、タカネオミナエシ、エゾイワツメクサ。

融け始めた雪渓を登って行くと、奥ノ平。
神の田圃と言われる小さな水溜りを越えると、7時49分砂礫の上に開けるコマクサ平に到着。

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ここはどこまでもコマクサが点々と続き、だれもが足を止めたくなるところだろう。

コマクサの他にも、ワタスゲ、ミヤマサワアザミ、ウメバチソウ、など目覚めたばかりの様な
花が次々と登場してくれる。
天空のお花畑、さすがに大雪山系だ。

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最後の雪渓の登りもアイゼンなしでも楽々と行けたが、これを登り切るともう
山頂は近いはずだ。

途中エゾツツジの群生地を通り、11時45分山頂に到着。
随分タイムオーバーしてしまったな。

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大休止しよう。
本日の夏山のお供はセ〇ンイレブンの塩エダマメ、北海道グルメも好いが、山ではコンビニ食に
すっかり頼りきっていて重宝なものです。

周囲にも花がいっぱいだ。

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イワブクロ、ミヤマリンドウ、チシマツガザクラ、エゾヒメクワガタ、エゾツツジなどを
見ながらの休憩だ。

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白雲岳や、旭岳方面への縦走路。

休憩の後、この景色に別れを惜しみつつ下山開始。

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ヨツバシオガマ越しに、遠くの山脈を見ながら。

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チシマキンポウゲ、ユキバトウヒレン、エゾノツガザクラ、エゾノハクサンイチゲ。

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エゾノウサギギク、ウコンウツギ、ミヤマカラマツ、ウラジロナナカマド。

チョット日陰の灌木帯に入ると、ガラリと植生は変わって。

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エゾノレイジンソウ、コクラン、ミヤマホツツジ。

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コバイチヤクソウ、ハクサンチドリ、オオバノキソチドリ。

13時45分、大幅にタイムオーバーして!下山完了。
赤岳は雪渓と花に遊び、時間を忘れさせてくれる名峰でした。

★ つれづれに一句

  雪渓の 一歩一歩に 夏惜しむ   yamahiko
     ・せっけいの いっぽいっぽに なつおしむ

お疲れさまでした。
次は、羅臼岳(1、661Ⅿ)へ続きます。

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そして、国道に出るまでの観光道路です。
走行中に車内から撮ったのでブレていますが、両側のポール、これは「北海道あるある」の一つで、
積雪時に除雪車の道幅確認のためで、北海道中の道に設置されています。




posted by やまひこ at 15:59| 山行記録